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■プロジェクトを開始した理由について■
これまで、たびたび環境問題や人の暮らしに関するボランティア等に参加してきました。
どうしたら役に立てるかな、微力だけど何もしないよりは良いかなと思い行動してきたことです。
2017年に30歳となり、何かしたい、何かしなくちゃ、自分に何ができるだろうとさらに考えるようになりました。
そんな2017年終わり、今回のコンテストの日本開催について話をもちかけられたのです。
そこでMR GAY WORLDが台湾の同性婚の成立の一助となっていたことを知りました。
2017年5月下旬、台湾がアジア初の同性婚を合法とした報せには、当時自分は驚きつつも本当に嬉しく思ったことを覚えていました。
成立に至るまでには沢山の背景や要素がありますが、たくさんの活動のひとつひとつが結果に繋がった出来事でした。
私は、12歳頃に自分が ’’普通’’ でないことを自覚し始めます。
田舎のうえネット環境がなく、誰にも相談できず1年間ひとりで悩み苦しみました。
苦しみから抜け出すために取った行動は、都合の良い点だけを自分に言い聞かせ納得させることでした。
’’結婚できない。一生一人で生きていかなければいけない。
だけど、自分のためだけにお金を使える。旅行が沢山できる。自由な生活があるに違いない。’’
(今考えると幼い考えですね。。。。でも、その時はこう言い聞かせるしかなかったのです。)
高校卒業後は単身オーストラリアに行き、滞在2年目にして初めてゲイカルチャーを目の当たりにしました。
当時、結婚したい、あるいは自分ができる対象とは考えたこともありませんでした。
結婚の言葉を意識し始めたのは20代後半になってからです。
今は、結婚したいと願っていますし子供も欲しいと考えています。
今の私の夢です。
MR GAY JAPANの話を受け、このプロジェクトに参加するか悩みました。
LGBTに関して何か携わりたいと考えていましたが、こういったコンテストをすることは考えたこともなかったからです。
サンドラ・ブロックしか思いつきませんでした。
彼女と同様、コンテストに対して、はじめはポジティブな考えを持っているわけではありませんでした。
しかし、2つの理由でMR GAY JAPANの実現に挑戦してみる意義があるのではないかと考えたのです。
1つは、メッセージを伝える手段として話題性があり優れているのではないかということです。
私は、人々の理解を得るためにはまず知ることやその機会を増やしていくことが大切だと思っています。
そこから考えることが始まるからです。
LGBTの話題を発信することは、その存在を知り、感じる・考えることに繋げることができる。
最近はLGBT関連のニュースをよく聞くようになりましたが、発信元は1つでも多い方がよいと信じています。
2つ目は、世界のLGBTシーンと繋がる良い機会だと思ったことです。
一概にはいえませんが、日本は、LGBTに対し良く言えば寛容ですが反面無知で無害なことが多いように感じます。
同じように、自分自身も含め日本のLGBT当事者は、世界のLGBTが置かれている環境について無知で無関心です。
まずは、自分たち当事者が世界の仲間たちに目を向け、彼らがどんな問題を抱えているかを知り、
日本はどうなんだろうと考えることが必要なのではないかなと考えます。
MR GAY WORLDの舞台は、実際に世界の人と共有することのできる最高の機会です。
世界に挑戦する代表者は日本からたった1人ですが、各国の代表者が何を訴え、何を感じているかを体験することができるからです。
毎年1人という小さな一歩ですが、彼らがそれを周りの人々に伝えることで知る機会が生まれます。
そんな知るという連鎖の可能性を信じて、このプロジェクトを開始しました。
いつか若い世代が、自身を否定することなく将来を展望でき、好きな人と自由に結婚を選択できる社会となることを願っています。
2018年1月
MR GAY JAPAN 運営代表 猪股